「若手社員をどのように育成すればよいか」企業向けプレゼン課題

こんにちは。3月も末となり新年度が近づいてきました。

今回は、今年度の締めの記事として、毎年3年の秋学期のゼミで実施している企業向けプレゼンの様子をご紹介します。今年度は昨年度と同じく、人材関連のコンサルティング業をされている「株式会社カタドリ」にご協力いただき、カタドリの方々、またカタドリと関係のある人材系の仕事をされている方々にプレゼンをしました。

近年、入社後すぐに辞めてしまう若者が多いことから、今年度は「若手社員をどのように育成すればよいか」かをテーマとし、5つのグループに分かれて課題に取り組みました。また、今年度の新たな取り組みとして、ゼミ卒業生の先輩たちに就職後の体験についてインタビューする機会を設け、生の体験談に基づき、プレゼンのトピックを検討しました。さらに昨年度、プレゼンをした4年生との交流の機会も設け、課題に磨きをかけました。

プレゼン当日、ゼミ生たちは緊張しつつプレゼンに臨み、プレゼン後には企業の方々から直接のフィードバックをいただきました。企業の方々や卒業生との直接の交流を通し、ゼミ生たちにとっては、企業目線のものの見方や考え方などを養う機会になりました。以下に、2名の学生の感想を紹介させていただきます。

今回のプレゼンは学生に向かってではなく企業の方に向けてプレゼンを行ったので、普段のプレゼンよりも情報をしっかりと集めて、できるだけわかりやすくなるようにプレゼンの準備を行った。その中で、私が今回のプレゼンで感じたことは2つある。

1つ目は、自身の知識についてである。私たちのグループでは当初、従業員のストレスとストレスチェック制度の関連について考えていた。しかし、その中で、自己開示というキーワードに行きつき、「ストレスと自己開示」についてプレゼンを行った。私は、企業の人にプレゼンを行うということで、先生から借りた自己開示に関する本を読み、自己開示について理解を深めた。結果、私は自己開示についての考え方が変わった。例えば、自己開示のしやすさに自己開示される人の特性が関わってくるということだ。このことに興味をひかれ、プレゼン内容にこの内容を組み込み、私がその部分をプレゼンした。私が相手に自己開示を求めているときにどんな態度をしていたのかを考えてみたが、とてもよい態度だったとはいえないと感じる。最終的には企業の方のためにプレゼンを行うわけだが、プレゼンの準備を通して、自分自身の知識を深めることができた。

2つ目は、異なる視点である。プレゼン後のフィードバックで、企業の方が「新しく○○を実施するという提案だけでなく、今ある○○をやめるという提案があるとよかった。」ということをおっしゃっていた。私はこの言葉にとても衝撃を受け、確かにその通りだと感じた。私は何か企業の問題点を改善できるような新たな施策ができないかと一生懸命考えていた。その中で、何かをやめた方がいいということは1ミリも頭の中に浮かんでいなかった。企業の方をターゲットとして行うのであれば、新たな施策を行うよりも今あることをやめるほうが明らかに簡単で、効果的である。なぜ、この考えに気が付かなかったのか、私は自分の考えの狭さにショックを受けた。今後のプレゼンの際には一方向の考えに絞られずに、いろんな考え、視点をもって物事をとらえようと私は強く感じた。

最終的に企業の方のために今回のプレゼンを行ったのに、様々なことを私が学ぶこととなってしまった。プレゼンを通して、自分の知識、考えの狭さを痛感するとともに、企業の方の知識、考えの広さを強く感じた。私はこれから就活を通して多くの企業の方とコミュニケーションをとる機会が多くなり、私も社会人となる。その時のために自分の知識、考えをさらに深めていこうと思う。今回のプレゼンはそのきっかけとしてとてもよい機会となった。

(3年 ゼミ生)

今回の課題で学んだことは、提案するに当たって、ロジック的に相手に伝えることだ。今までのプレゼンは、本などの題材を元に作っていたため、本にプラスしてネットから情報を集め、必然的に理論や考え方を取り入れていた。しかし、今回のプレゼンは早期退職をどのようにしたら防ぐことができるかという抽象的な題材だった。だから、私たちは柱を決めるために悩み、苦労した。反対に、柱ばかりを考えてしまっていた。4年生の先輩が去年のエピソードを話してくれた時に、「なぜこの結果に結びつくのか、アンケートやデータなどにもっと紐付けてプレゼンをした」と助言をもらった。助言を元に卒業生の先輩へのインタビューや企業の方のお話をまとめたり、ネットや本を活用して情報を集めたりした。根拠やデータにより説得力が増したことで、柱に集中できるようになった。提案は何週もかけて上書きを繰り返し納得いくものができたと思う。しかし、私たちは何かをプラスすることしか頭になく、提案を考えるときにマイナスするという柔軟な考え方ができたらと少し後悔が残った。

プレゼンは、企業の方々からも論理的だと評価を頂いた。情報が足りない所もあったとは思うが、他の班と比べて、理論や事例を交えてロジック的なプレゼンができたと思う。今回の課題を通して、先生に卒業生の先輩のインタビューや企業の方の話をセッティング頂いたことで生の声が聞けて、社会人の準備として良い経験ができたと思う。また、自分たちで調べ、考えたことで実際に社会に出たときにストレスで悩んだときの対処方法を理解できたことも大きな収穫だと思う。

(3年 ゼミ生)

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