一般社団法人 BIG UP 石巻:被災地にコミュニティスペースを提供する

はじめに

東日本大震災から今年で10年。大地震とそれによる津波で多くの命が奪われました。失われた命は様々であり、親や子を失った人、恋人や友達を失った人、ペットを失った人、本当に様々です。失った命は戻ってきません。しかし、大切な人を失っても生きていかなければなりません。

その中で、私たちは親を失った子供たちに焦点を当て、その支援を行っている組織に目を向けました。それが、今回記事に書かせていただく「BIG一般社団法人 BIG UP 石巻」という団体です。宮城県の石巻市で、震災後のコミュニティスペースを提供し心の面からケアしていくというような活動を主に行っています。詳しくは後程紹介します。

このブログ記事を読むことで、震災のことを忘れずに、ボランティア活動や次世代に伝えていくことの大切さなど、私たちが今後活かせることを考えていただければ幸いです。

BIG UP石巻の取り組み

BIG UP石巻では先に述べた通り被災者支援のために様々な活動を行っています。その中で今回私たちはコスモスの家、コスモス子ども食堂について取り上げていきたいと思います。

コスモスの家

コスモスの家は地域の方が集まるコミュニティの場として平成25年4月に開所されました。当初は年齢問わず地域の人などが集まる場を想定していましたが、一番コスモスの家を利用していたのは子どもたちでした。実際、BIG UP石巻のホームページでは子どもたちが元気に遊んでいる姿が見て取れます。また、ホームページでは「第3の居場所」という言葉があり、子どもたちの家や学校で見せないような姿があった、とありました。家や学校では会うことができない人と接することができ、体験できないようなことをコスモスの家で体験することができたのです。子どもたちがリラックスして自由に羽を伸ばせるような空間がそこにはあったのだと思います。

コスモス子ども食堂

また、コスモスの家では、平成28年4月から月に1回子ども食堂が行われています。子ども食堂の実施によって、子どもたちとの関係だけでなく保護者との距離感が近くなり、各家庭環境やニーズなどを知ることもできたそうです。コスモスの家、コスモス子ども食堂は、子どもたちに新たな居場所を与え、地域の心の拠り所として大きく活躍しました。コスモスの家は防波堤道路の予定地に入っていたため、閉所してしまいましたが、コスモス子ども食堂の活動は現在も引き続き行われています。

おわりに

居場所の役割

私たちが所属するゼミナールでは「居場所のマネジメント」をテーマに様々な論点から「居場所」の在り方について活動・研究しています。皆さんは居場所という言葉に、「安らぎがある場所、暖かい場所、居心地がいい場所」というイメージを持っているのではないかと思います。これらの場所に共通するものは「自分自身を迎え入れてくれる場所、自分をありのままに出せる場所」だと思います。

東日本大震災で被災した人たちはそう言った居場所を失い、心に大きな傷を負いました。怖い、寂しい、辛い、どうしたらいいのか分からない、そんな気持ちを抱え大きな不安を感じながら過ごしていたのではないかと思います。震災で失ったものは大きく、今の私たちにできることは少ないかもしれません。

しかし、10年前の大きな被害の実態を忘れずに心に留めておくということは誰にだってできるのではないでしょうか。

私たちにできること

私たちは記事を書くことで、今の自分たちに何かできることはないかと考えるきっかけになりました。ここまで読んでくださった皆様にも、自分に何かできることはないかと考えるきっかけになればいいなと思います。

(2年 ゼミ生)

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