学生たちと“働く”を問い直す:企業向けプレゼン2022年

こんにちは。

向日ゼミ3年では毎年、社会人の方々へのプレゼンの課題に取り組んでいますが、今年度は名古屋の人事系のコミュニティである「名古屋HRコミュニティ」、また人材コンサルティングの「株式会社カタドリ」とのコラボで「学生たちと“働く”を問い直す」とのテーマで課題に取り組み、11月28日にプレゼンの機会を持ちました。

今年度は、グループごとに扱う理論(「グリット」、「マインドセット」、「ワーク・エンゲイジメント」、「愛着理論」)を定め、またプレゼンまでにHRコミュニティの方々とオンラインでの交流会を2回持つ形で準備を進めました。交流会を通してゼミ生たちは、就職に対する不安とともに、社会人の方々との働く意識に対するギャップを強く感じました。そのような不安やギャップと理論を絡めながら準備を進め、またプレゼンに臨みました。そしてプレゼン後には社会人の方々と、フィードバックを兼ねた交流の機会を設け、働く意味について考える機会を設けました。

以下に2名のゼミ生の感想を紹介させてもらいます。

課題感想

私たちのグループはマインドセットと自己効力感についてプレゼンをしました。

私は、就活を本格的に迎えるにあたり、社会で働くことへの不安、恐怖を感じることが多くなり、特にうまくいかなかったらどうしよう、入社したものの、思っていたことと違って、やめたくなったらどうしようなどと、根拠もないまま漠然と考えていたので、理論の内容を理解して、このプレゼンを作り上げることがすごく難しかったです。けれども、班の皆がすぐに説明してくれたり、一緒に考えてくれたりしたおかげで、頭の中を整理することができ、今は企業の方たちの前で発表できてよかったと感じています。

特に印象に残ったことは、事前のZoomの交流会などで「失敗なんて深く考えなくていい」ということを企業の方が言ってくださったことです。私は、どちらかと言えば「こうでなければならない」と考え、失敗してはいけないんだと考えることが多かったので、私としてはすごく安心でき、また就活することへの不安が少し軽くなりました。アルバイトで新人だった頃、先輩からできなくてもいいんだよと言われても失敗したくない、期待に応えたいという気持ちが強くなるあまりに、勝手に自分自身にプレッシャーをかけ、できないと自分でわかっていても、実際できなかったとき、結局落ち込んでしまって切り替えられないことがありました。そのようになってしまうのは自分が弱いからだと思っていたけれど、Zoomでの交流会や今回のプレゼンができたことが、とても励みになりました。

プレゼン後の企業の方とのフリートークで、企業の方は「社会はもっと明るく見えたしわくわくした」と言っていたのですが、私の社会のイメージは怖く、あまり明るいというイメージはなかったので、社会への考え方の違いが感じられたのが意外でした。情報が出回りすぎて、良いイメージを持っていたとしても、デメリットが見えたときに、それに引きずりこまれがちなのかもと感じたことを伝えることができました。私たち学生と企業の方が考えている違いを共有できて良かったと感じ、また楽しい経験だったと感じています。

(向日ゼミ 3年ゼミ生)

私は「ワークエンゲイジメントとワーカホリズムについて」をプレゼンテーションしました。このトピックに関心を持った理由は、これから社会人として働いていくからこそ今のうちにワークエンゲイジメントの概念を学ぶことで、少しでも仕事にやりがいを見出せやすくなるかも知れないと思ったからです。

メンバーと話し合いを続けるなかでメインの方向性はワークエンゲイジメントではなくワーカホリズムになりましたが、課題を通して様々な気づきを得ることができました。それはワーカホリズムは個人だけではなく、周囲にも影響を与えるという視点です。個人的にワーカホリズムの状態でも、その人自身が幸せだと感じていればそのままでよいのではないかと思っている部分がありました。しかし、家族や他の社員などにも少なからず影響があるとなると、ワーカホリズムを貫く姿勢も考え物だという、広い視野で物事を考えることの必要性を感じました。また、後に社員の方々への提案を考えるなかで、社員の方々のみに変化を促すことに違和感を感じ、私たち若者自身も変化する(例えば、積極的に現状の気持ちを伝えるなど)ことが重要だと、気づきを得ることができた点は個人的にうれしかったです。

発表を終えての社員の方々との質疑応答で、「今は法がしっかり決められているから、長時間労働はそこまで心配しなくてもよい」とお聞きして、その点に関しては安心をしました。しかし、「身体的よりも精神的にフォローする仕組み」が必要になっていることは確かだと思いました。

インターネット社会という情報や考えが飽和する世の中で、仕事面でも、それ以外でも、特に若者世代は昔よりも精神的に疲弊してしまうことが格段に多くなりました。ありのままが尊重され始めてきた時代だからこそ、一つ一つの意見の声が大きくなり、頭を悩ませることが増えていそうだと交流会を通じても感じました。現代は生き方、働き方の一つの変革期に差しかかっているのかも知れません。難しい問題だからこそ、将来的に社会人として働くなかでも、ゆっくりと、個人で、または周囲で「働きやすさ」を模索していきたいです。

(向日ゼミ 3年ゼミ生)

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